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健康

 健康は富みであり財産である。イギリスの19世紀の思想家・カーライルは【健康
な人は自分の健康には気がつかない。病人だけが健康を知っている】と言い残して
いるが、健康な人は病気になる心配があるが、病人は【健康を回復する楽しみ】が
ある。
 健康経営という視点で日本を眺めれば、国民は未病(病気でもないが健康でも
ない常態)に陥っていることに薄々気付いているが、適切な処方箋が見当たらず、
戸惑い気が滅入っている、というのが正直な気持ちなのではなかろうか。
 江戸時代の医師・貝原益軒は【病気はみな気より生じ、病とは気を病むなり。故
に養生の道は気を整えるにあり・・・】と述べている。押入の中を見渡せば理解できる
はずだが、物質的には満たされている。満たされているから消費が落ち込んでいるの
だが、現在(経済・金融・年金等)の常態を鑑み、何時未病が発症して病気に見舞
われるのか心配で、とても未来像が描ける常態ではない、と気が病んでいるのが今の
日本社会。100年に一度の不景気といわれる、そうではなく100年に一度の変革
期。物質物欲で人性を語るのではなく、心の満足で人性を語る時代。健康だけで
も有り難く幸福な事なのだが、それ以上に欲望を抱くから健康に感謝できない。
 老後の医療費を安くしろ、福祉を充実させろ、という声が巷にあふれているが、充
実させるためには誰かが負担しなければならない。誰か犠牲にして、自分だけ幸福で
あればいいというのは強欲と言える。老いるとは熟ずることであり、人間として精神的
な完成を言い表す。熟した人性を味わうのが老後。物欲を捨てなければ精神的にも
満たされない。

善無畏

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